『忘れるな』

つい先日見ていた某アニメで、こんな台詞がありました。

「誰かの為に流した涙も、言われた挑発も、怒りも忘れるな。
　忘れなければ進化することができる」

大体、こんな感じの台詞でした(要約ぎみです)

忘れるな。
これを聞いて咲夜はどう感じたと思います？

なんて酷い言葉だろうと思いましたよ。
変わってますよね。
アニメを見終わった後も、頭からずっと離れませんでした。
しまいには、思考の海に沈んでしまいました。
久しぶりに、こんなに考えました。
アニメを見る人は変な人みたいに思われていますけど……
馬鹿見たいに、ぼけっと見ている人も多いです。
でも、大切なこともたくさん入ってるんですよね。
けっこう、気づかされることってあります。

では、何を考えたのかは……戯言にて。
結構、長いかもしれません。
意識朦朧としてた時に、携帯にメモしました。
それを、文章に直したので、多少不自然です。
かなり個人的思考に偏っています。
馬鹿じゃないの、という人は、ここでストップを。

忘れるな
それは何て酷い言葉なのだろう。
全てのことを覚え続けていることなんて、できないのに。
いつかは、忘れてしまうのに。

例えば　誰かを殺してしまった
例えば　誰かを騙した

忘れるなということは、犯した罪、過ちを全て。
背負い続けなければいけないという事。
それじゃあ　いつかは潰れてしまうじゃないか。

全てを記憶し続けていたら、いずれ脳はパンクしてしまう。
だから、忘れる必要がある。
でも、その忘却は完全なものではない。
小さく、小さく圧縮されて、脳の深い所に隠されただけ。
知らない、気づかないフリをして、目を背けているだけ。
これは、忘れてなんていない。覚えている。

確かに、忘れなくていい事もある。
覚えている事によって、結果が変わる事もある。
同じ過ちを回避したり、前よりも向上できたりもする。
だけど。
過去に捕らわれて、前に進めない。
そんな時も勿論ある。
足枷やトラウマは付き纏い続ける。
忘れてしまえば、スタートは零から。

忘れなければ、重さに潰れてしまう
忘れれば　　　　真っ白で不安定

どちらが良くて　悪いかなんて
そんなものは、恐らくずっと分らないもの
ならば、嫌な事だけ、幸せな事だけを残して。
忘れたり、覚えていればいいと思う。
けれど、人はそんなに都合良く出来てはいない。
ほとんど、不可能に近い。
でも、無意識の内にそれを成し遂げる時もある。

忘れない事も大事。　それでも。
咲夜は忘れる方に傾きます。

辛い　痛い　嫌　悲しい
全部抱えて生きていく事が出来るほど
人は強くなんてないと思うから。
忘れた方が　幸せに生きていける

その人はもう死んでしまったのに
覚えていなければならないなんて
それは　とても大変な事
忘れてしまえば　楽になれる
初めから知らなかった事にすれば

本当に記憶していたい事なんて
ほんの一握りだけ
それさえもいつかは忘却してしまう

いずれ消えてしまうならば
すぐに忘れてしまったほうがいい
(これが全てではないけれど)

忘れて消えていく事が怖くて
日記を書いたりするのに
積み重なり増えるのが怖くて
破り捨ててしまう
なんて　矛盾しているのだろうか
重さに耐えられないなんて

結局の所は、バランスが大事ということ。
これが恐らく一般的だと思います。
それでも　咲夜は。
忘れたいのです。

辛い事があって逃げる。　それは弱虫。
辛い事があって耐える。　それは強い。
でも割り切れない時。
時と場合による。
限界を見極めて　逃げる。それは大事。
壊れそうになっても　耐える。　それは愚か者。
(所詮は　自分の言い分を正当化したいだけ)

今まで書いてきたこと。
それは、至極当たり前の事なのかもしれない。
いまさらな、陳腐な事かもしれない。
でも、無意味じゃない。
”誰か”じゃなくて”自分”で
考えて、思ったこと。
そこに、意味がある。
人の脳みそは、使わないと錆びちゃいますからね。
何か妙に気になったときは、何かしらあるのでしょう。
気づけるか、気づけないかは、自分次第という事でしょうか。
でも、判ったことが……
本当　嘘　どちらなのかは
わからないままです。
これが　真実なのでしょう。

ちなみに咲夜は、忘れる派です(くどい)
嫌な事も、良い事もすべて、忘れるのが得意です。
最近の記憶は、中学時代からですね。うろ覚えですが。
でも、忘れた振りをしているだけです。
幼稚園の頃も、誰かが死んだ事も、泣いた事も。
ぜんぶ、全部覚えています。
その人の命日は、一昨日でした。(間違えて覚えてた)
忘れたいのに、忘れられない。
まさに本末転倒ですよね。
そんな咲夜は、きっと愚かな道化師です。
お蔭様で、クラスメイトの名前がわかりません。
いや、冗談抜きで実話です。
男子なんて、顔見ても名前聞いてもわかりませぬ。
声で、かろうじて認識できるくらいです。

何もかも　全て忘れて
真っ白な記憶の中
きっと　其処にしあわせはあるのでしょう。